調理のポイント

オートミールの種類にご注意

日本ではあまり馴染みのないオートミール。ヨーロッパやアメリカではお粥状にして、牛乳などをかけて食べるのが一般的。日本でお粥といえば、お米を柔らかく煮て、梅干しなどの塩辛いものと一緒に食べるのが普通ですから、牛乳をかけてさらに甘くするなんて、驚かれるかもしれませんね。

しかし、そんなオートミールですが、食物繊維の含有量は群を抜いています。そもそもオートミールとはエンバクという小麦の一種を表皮ごと蒸し、その後乾燥させて砕いたもの。穀類の表皮に多く含まれる食物繊維が取り除かれることなく、食べやすく処理されているため、小麦そのものの食物繊維を直接摂取できます。

日本でオートミールとして流通するものは、粥状にして食べる際、お湯をかけたり、お鍋で2、3分ほど煮ればすぐに出来上がるタイプが多く、商品によっては、インスタントオートミールという名称で販売されています。ですから、今回のようにクッキーやケーキに加えてもすぐに焼き上がり、固くなることもありません。

ただ、ごくまれに加熱処理されていないオートミールが販売されていることもあります。そちらは単純に乾燥させた小麦を砕いたものなので、お粥状になるには30分程度煮る必要があります。いわば、私たち日本人がお米からお粥を作るのと一緒です。このタイプをそのままクッキー等に加えると仕上がりが固くなり、好みにもよりますが、美味しくは仕上がりません。

オートミールを選ぶ際は、種類や箱に記されている調理方法等もチェックして下さいね。

今月のポイント＆コラム

雑穀類の中でも食物繊維含有量がトップクラスのオートミール

オートミールに含まれる食物繊維の量は、一般的に食物繊維を多く含むとされる雑穀類の中でもトップクラスです。オートミール100gの中には9.4gと、約1割の食物繊維が含まれ、食物繊維を多く含む食材である玄米の3.0g、さつまいもの2.3gと比較してもかなりの量と言えるでしょう。

また、オートミールには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の両方が含まれているのもポイント。水溶性食物繊維は、水分を吸収して腸内でゼリー状になり、糖と消化酵素の接触を妨げ、血糖値の上昇を防ぐと共に、コレステロールを排泄する作用があります。そして不溶性食物繊維は、腸内で水を吸って膨らみ、腸の活動を促進すると言われます。

便秘の解消にはこの水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランス良く摂取する必要がありますから、オートミールは一つの食材で両方の食物繊維を摂取できる、便秘解消には理想的な食材と言えるでしょう。

レーズンやナッツ類も便秘解消に効果的

クッキーに食感のアクセントとしてプラスした、レーズンやアーモンドも便秘解消には効果的。レーズンにもオートミール同様、水溶性と不溶性の食物繊維が含まれる他、腸内環境を改善するフラクトオリゴ糖が含まれています。アーモンド等のナッツ類もまた、食物繊維がたっぷり。その多くは不溶性食物繊維ですが、食物繊維の他に、ビタミンEやオレイン酸を含み、それらは腸の働きを高める効果があると言われています。

便秘に効果的な食材をたくさん加えたこのクッキー。通常はバターで作るクッキーを、今回はオリーブオイルを使用し、さらにヘルシーに仕上げました。一般的なクッキーはカロリーも気になるところですから、ティータイムには食物繊維たっぷりで、ヘルシーなオートミールクッキーはいかがでしょうか。